脳には、ミラーニューロンと呼ばれる「共感」のもとになる神経細胞があります。
これがあるおかげで、人の行動を見ているときに、自分が同じ行動をしたときのことを想像することができます。
また、人の感情や行動、意図を理解できるようになります。
具体的な例を上げると、目の前の人が食器棚からコップを取り出して、水道をひねって、水を入れ、飲み干したとします。
これを見たときに、1つ1つ順を追って「なぜ水道をひねるのか」などと推察したりはしませんよね。
ミラーニューロンのおかげで、自分が行動するときに照らし合わせて自動的にシミュレーションしてくれるからです。
人はミラーニューロンがあることによって、他者を理解し、共感し、他者の行動から学習をすることができます。そして関係性が近ければ近いほどその効果は高く、より共感することができます。
その反面、ミラーニューロンがあるために、子どもがしていることを見るとまるで自分がその行為をしているように感じてしまいます。なので、自分が「違う」「してはいけない」と思っていることを子どもがすると、自分のことのように正そうとしてイライラしてしまうのです。
よく「人は自分の鏡」と言いますよね。「この人のこと嫌だな」と思うとき、それは自分の嫌いなところ、解決したいと思っていることが多いのです。
「同族嫌悪」とも言います。
これはまさにミラーニューロンによって起こっていることです。
関係性に距離がある友人や知人の場合は、気になったとしてもその場で終わることが多いですが、子どものように距離が近い場合はまるで自分がしてしまっていると錯覚し、イライラしてしまいがちです。
過去の経験により「誰かを許せない」と心のなかで責めてしまうことは誰しもあるかと思います。人を「許せない」ときは結局「自分の中に許せない部分がある」と思っているので、相手のことを思い出すたびに落ち着かなくなったりイライラしたりします。
そして心の中に緊張状態があるときはなかなかリラックスもできず、うまくいかないことも多いです。
子どもの行動だけでなく、友人、同僚、部下にイライラするときは、まずは自分を振り返り受け入れてみると楽になれるかもしれません。
まずは自分を受け入れることも大切ですが、そもそも善悪の区別もあまりついていない子どもの行動には自分への振り返りだけでは受け入れられないことも多いです。
そんなときにはこのワークを試してみましょう。
どうして、この子はこんな行動をしたのだろう。もしかしたら嫌なことでもあったのかも・・・
子どもはまだまだ成長過程です。これから善悪の区別、人にして嬉しいことダメなこと、感情の調節を覚えていきます。
「まだ小さいし難しいよね」と弱さを認めてあげるのも一つです。
「辛かったよね、わかるよ」「大人にもそんなことあるよ」と実際に共感の言葉を子どもに投げかけてみましょう。
自分も吐き出してスッキリしますし、子どもも受け入れてもらえたと安心することができます。
子どもの才能を引き出すには、まず子どもに共感することが大切です。そのためには、まずは自分と受け入れると、子どもを受け入れる準備ができます。
そうすることによってイライラの気持ちが落ち着きやすく、共感することができます。
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